子どもには夏に流行る風邪があります。保育園等の集団生活を送る子どもは、容易に子どもから子どもに感染し、また?!と思うほど流行りの風邪にかかります。症状や対処方法を知っておくだけで、親は少し心に余裕がもてると思います。そんな親御さんのために、夏に流行る風邪の症状と対処法を紹介します。
夏に子どもがよくかかる風邪は4つ!!
いわゆる「夏風邪」と呼ばれる子どもが夏にかかりやすい風邪は、ヘルパンギーナ、手足口病、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎の4つと言われています。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナとは、発熱と口蓋垂(のどちんこ)周辺に水疱性発疹(水ぶくれ)が現れる感染症です。5歳以下の乳幼児を中心に流行します。感染経路は、飛沫感染や接触感染と言われており、予防には手洗いが有効です。潜伏期間は2~4日、症状から回復した後も、2~4週間の長期にわたり便中にウイルスが排出されます。排便後のおむつ替えのあとなどは手洗いを徹底しましょう。
症状≫発症すると発熱、全身倦怠、咽頭通、口内に水疱性発疹(みずぶくれ) 口内が痛いために不機嫌、拒食、哺乳障害、それに伴い脱水症なども見られます。
感染の時期≫5月頃より増加し始め、7月頃にかけてピーク、8月頃から減少
ウイルス≫コクサッキーウイルスA群など
手足口病
手足口病とは、口の中や手足などに水疱性発疹(みずぶくれ)が出る感染症です。5歳以下の乳幼児を中心に流行し、保育園や幼稚園などの集団生活をしている施設は注意が必要です。予防には、手洗い、タオルを共有しないことです。また、唾液のついたおもちゃを触ったり舐めたりすることでも感染するため、おもちゃの共有や貸し借りには注意が必要です。感染経路は、飛沫感染、接触感染、経口感染で、感染者の便中にウイルスが排出されるため、排便後のおむつ替えの後などは手洗いを徹底しましょう。潜伏期間は2~5日です。
症状≫発症すると発熱、口や喉の痛み、手や足の発疹、水疱、口内炎 高熱が続くことは通常ありません。
感染の時期≫7月下旬に流行のピーク
ウイルス≫コクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71
咽頭結膜熱
咽頭結膜熱とはプール熱と呼ばれるように、プールの水を介して人から人へ感染、またタオルの共用でも感染します。保育園や学校などの小児を中心に流行します。感染経路は、飛沫感染、接触感染であり、予防には、感染者との接触を避けること、うがい手洗いをするなどです。プールを介しての流行に対しては、プールの塩素濃度を適正に維持することが大切です。集団発生しやすいプール後は、夜眠くなったとしてもその日のうちにお風呂に入ることが大事です。潜伏期間は5~7日です。学校は、症状が消退した後2日を経過するまで出席停止となります。
症状≫発症すると発熱、頭痛、食欲不振、のどの痛み、結膜炎を伴う眼痛
感染の時期≫季節を問わず発生しますが、プールが始まる6月頃から徐々に流行し始め、7~8月にピークを迎えます
ウイルス≫アデノウイルス
流行性角結膜炎
流行性角結膜炎とははやり目と言われ、アデノウイルによって引き起こされる目の感染症です。感染力が非常に強く、病原体のついた手で眼をこするだけで簡単にうつってしまいます。アデノウイルスそのものに効果的な薬はなく、他の細菌の感染を防ぐための抗菌薬と、過剰な炎症で自分の眼を傷つけないためにステロイドの点眼を使用します。潜伏期間は7~10日であり、治るまでに少なくとも2週間を要し、長い時には1か月以上かかることもあります。感染経路は接触感染であり、家族間でのタオルの共有はやめましょう。
症状≫眼の赤み、かゆみや痛み、まぶしさ、目やにや涙
感染の時期≫8月を中心に多い
ウイルス≫アデノウイルス
感染症は出席停止になる
紹介した4つのいわゆる夏風邪は、感染症であり保育園や学校と言った集団生活の場では、他の子どもにうつるため、数日間は出席停止になります。園や学校によっては、医師の意見書をもって登園・登校が可となる場合もあります。
また、乳幼児に多いヘルパンギーナや手足口病は、口内に炎症が起きるために食事が食べられなくなる子どももいます。解熱はして元気そうに見えても、食事が摂れないと登園を控えてほしいと言われる園は多いです。
子どもの感染症、仕事をしている親にとっては数日間も休まなければいけなくて正直辛いものもあります。でも、小さい子どもの感染症は集団生活の中ではなかなか避けられません。また、子どもは感染症にかかることで免疫をつけていきます。私は、子どもが風邪で休む時は、自分がうつらないように最大限気をつけながら、一緒にゆっくり過ごすようにしています。
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