小学校、プールに入れるのは数回?そもそも廃止方向?

 6月から始まるところも多い小学校のプール授業。近年は、年に数回と数えるほどしか授業でプールに入れないそうです。そもそも、様々な理由でプールの授業自体が廃止の動きとなってきているようです。そんな事情をまとめてみました。

小学校のプールは6月に始まり実際に入れる回数は5~6回

今は6月からプール授業が始まり、夏休み前までの約1か月半の間しかプールに入る機会がありません。実に回数にすると、年間5~6回程度になります。昔は年間15回程度あったので半数以下となっています。

昔は、夏休みもプール開放日は学校へ行きプールに入ったものです。

しかし、近年は様々な理由から、プール授業自体の回数が減少傾向にあります。

その理由の一つは、気象条件が影響しているようです。猛暑や雷雨などの天候不良により、予定されていたプール授業が中止になるケースが増えてきているようです。

もう一つの理由として、安全面の配慮が考えられます。水泳中の事故防止のため、監視体制を強化する必要があり、1クラスの児童を監視しながら授業を安全に行おうと思うと、必然的に教員の数も担任に加えプラスαの人員をプール授業に配置しなければいけないと考える学校もあると思います。

プール授業の回数が少ないことは、水泳が得意で好きな子にとってはもっとたくさんプールに入りたいと思うかもしれませんが、少なからず、水泳が苦手でプール授業自体が地獄のように感じる子もいると思います。そんな子にとっては少しうれしいかもしれませんね。

プールの維持が難しく廃止の動きも

約50~60年前に設置されたと言われている全国の学校のプールは、老朽化が進んでおり、その修繕をしようと思うと、1億5000万円以上という莫大な費用がかかります。また、維持管理費も年間にすると約150万円必要だそうです。

また、維持管理をするにあたり教員の負担も大きいようです。プールの授業の準備から後片付け、水質管理は大きな負担になっているようです。具体的には、毎朝の水質チェック、プールサイドの清掃、水温管理があり、教員の働き方改革が進んでいる近年には逆行する業務になることは容易に想像できます。

プール授業を外部委託へ

プール自体の維持管理と教員の負担増加を考慮し、近年ではプール授業を外部委託するという選択が増えてきているようです。外部委託というのは、民間のスイミングスクールやスポーツクラブに授業を委託するというものです。

外部委託することによる利点はいくつかあります。

一つは、維持管理で問題となっていたコストの削減です。

もちろん外部に委託する分その費用はかかりますが、長期的に見ると大きなコスト削減効果があります。そして、老朽化したプールのことを考える必要がなくプール授業を維持することができます。また、教員の時間外労働の削減、水道代や電気代の最適化も維持できます。

二つ目の利点として、事故防止と安全対策の強化が挙げられます。

外部委託先は、水泳指導のプロフェッショナルがいます。彼らの専門知識と経験はプール授業で児童の安全確保に大きく貢献します。また、学校のプールで行う授業は主に担任の先生が授業を行うことになりますが、外部委託先では指導員が複数人います。必然的に、児童達を監視する目が多くなり事故防止に繋がります。

一方で、移動時間の確保や授業の質の維持などの課題もあります。しかし、これらは工夫次第で解決も可能そうです。

子どもからしたら、プール授業は好き嫌いがあり、たくさんやってほしい子もいればなくなれば嬉しいと思う子もいると思います。

しかし、親からすると好き嫌い問わず小学校で全員経験をすることが大事ではないかと思います。経験をして、好きで得意だと分かれば大きくなってもどこかで続けることもあるかもしれませんが、苦手で嫌いだと分かった子は将来大きくなったらまず泳ぐということをしなくなります。ですから、まずは小学校で経験しておく、そのためにプール授業自体はなくさないでほしいと願います。

【おまけ】

令和の小学校のプール授業では、指定の水着はなく、スクール水着や競泳水着が望ましいと言われるものの、自由に準備します。水泳帽子によくわかるように記名するのは変わっていません。また、ラッシュガードも着用OKとなっています。男女関係なく、多くの児童がラッシュガードを着用しています。

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