切迫早産とは早産になりかけている状態のことです。妊娠中、急に切迫早産と診断されるかもしれませんが、早産と聞くと焦りますよね。もし切迫早産となっても、原因や治療、お母さんはどうしたら良いのか知っていれば、少しは安心できると思います。
以前に、[知っておこう!妊娠が分かったら!妊娠時期別の身体の変化と過ごし方]で私自身が切迫早産であったと触れたので、今回は切迫早産についてまとめました。
切迫早産の原因って?
これまでの妊娠で早産になったことのある人はより早産、切迫早産になりやすいと言われています。
1⃣感染症
子宮内膜症が早産の最も多い原因です。細菌の感染により子宮内膜炎を起こし、内膜が弱くなることで破水や子宮の収縮を誘発する可能性があります。
2⃣多胎妊娠
多胎妊娠では、子宮がより大きくなるため、早い時期からお腹が張りやすく早産の可能性が高くなります。
3⃣高齢出産
高齢女性の妊娠では卵子の老化から、受精卵が染色体異常となり赤ちゃんの21トリソミーの発生確率が高くなります。赤ちゃんに染色体異常があれば、流産・早産・死産の可能性が高くなると言われています。
4⃣子宮頸管無力症
子宮頸管とは赤ちゃんが出てくる子宮口のことです。通常は陣痛が始まってから子宮口は開きますが、痛みがなく開いてしまう症状のことを子宮頸管無力症と言います。子宮口が開くと、陣痛よりも先に赤ちゃんが出てきてしまいます。
5⃣子宮の病気や異常
子宮筋腫や子宮の形の異常があると、早産の可能性が増します。また、円錐切除術を受けたお母さんは早産になりやすいと言われています。
私は、2度妊娠出産を経験しましたが、1人目は26週で切迫早産、2人目は28週で切迫早産と診断を受け、早期に仕事は休みに入りそのまま産休に入るという経過をたどりました。1人目の時は予想もしていなかったのでかなり焦りましたが、2人目の時はもしかしたらそろそろ診断されるかも、と覚悟はして妊婦検診に行っていました。そして、34週で入院も経験しましたが、入院は検診に行って突然その場で言われます。診察後、すぐにその場に車いすが運ばれてきます。もうここからは歩かないで!と言われているくらいの対応でした。1人目で突然の入院を経験した私は、2人目もいつ入院を言い渡されてもいいように、検診の度に入院セットも持って行っていました。これは、正解でしたね。1人目を経験している人は、以降の妊娠も覚悟しておくと良いと思います。
切迫早産と診断されたら?治療は?
赤ちゃんはあ母さんのお腹の中にいる期間が短ければ短いほど生存率や予後に悪影響を及ぼします。ですから、切迫早産になった場合できる限りお母さんのお腹の中で成長できる期間を延ばす努力をしなくてはなりません。
切迫早産の第一の治療は安静にすることです。状況に応じて投薬をします。
症状が軽ければ自宅安静ですみますが、症状が重くなると入院を余儀なくされます。安静の程度はそれぞれなので、先生の指示に従いましょう。
切迫早産の兆候は?
では、切迫早産の兆候は自身で分かるものなのでしょうか?
症状は軽いものから深刻なものまであるようですが、最も自分で気づきやすいのは出血でしょう。妊娠37週以降の出血はおしるしと言えますが、それ以前の出血は早産の兆候と言えます。
もう一つの症状はお腹の張りや痛みです。妊娠後期になるとほとんどの妊婦さんがお腹の張りを感じると思いますが、この張りはしばらく安静にしていれば治ります。しかし、安静にしても張りが続き、それに加え痛みも感じるようになると、病院を受診したほうが良いかもしれません。
切迫早産の段階であれば、まだ治療や対処法があります。早期発見・早期治療が大事なので、「おかしいな?」と思ったら、悩んで周囲に相談するよりも、病院に電話で確認をし受診を進められたすぐに受診をすると良いでしょう。また、妊婦検診の際に自覚している症状があれば必ず伝えましょう。
私は仕事柄、1人目の時は切迫早産の診断が出るまで夜勤もやっていたくらい、日中の仕事も動き回る体力仕事と言っても過言ではない働き方をしていました。1人目の切迫早産の診断を受けたのは、忘れもしない、夜勤明けの夕方に妊婦検診を受けに行った時でした。それより数週間前から、お腹の張りを感じていたため張り止めの内服をしていました。しかし、張りは悪化しておりついに診断が下ってしまったという感じでした。決して、仕事ばかりが影響していたというわけではありませんが(同業者でも何の問題もなく出産まで経過をたどる人はたくさんいますから。)、お腹が張ると自覚していた時点で、仕事でも日常でも無理は禁物だったと反省しています。
切迫早産はお母さんのせいではない!
切迫早産の原因はいくつか考えられ、それらを取り除くよう努力はできますが、それでも、切迫早産になることはあります。そうなった時に、お母さんは真っ先にお腹の赤ちゃんのことを心配すると思います。そして、もしかしたら「私のせい?」と自分を責めるかもしれません。でも、お母さん自身を責める必要は全くないと思います。
早産で生まれた赤ちゃんすべてに問題が起こるとは限りません。もし、切迫早産となっても、自分を責めず、気負い過ぎず、先生の指示に従って無理のないように出産までの日々を過ごすことが大事だと思います。
2人とも切迫早産だった私ですが、30週を迎える前に診断を受けたあとは先生の指示に従い安静に過ごし、早産にならないようになんとか37週まではお腹の中で成長させてあげようとの思いで、残りの妊娠生活を送りました。確かに、出産前に子どもが生まれてからはできなくなるいろんなことをやっておきたかったという残念な思いはあるけれど、それよりも、無事に正期産で出産を迎えることができた私自身に、頑張ったと言いたいです。
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